樹木の緑の役割
 周辺部に比べ、都市部の気温は数℃高くなっています。これがヒートアイランド(熱い島)現象です。その原因は、コンクリートなどが太陽熱で熱くなったり、冷暖房や工場から放出される人工的な熱源により、都市部の空気が熱せられるからだといわれています。都市に残る御苑の緑は、このヒートアイランド現象の緩和に大いに役立っているのです。
 一方、我々の日常の生活から排出される二酸化炭素などが空気を汚し、地球の温暖化にも繋がる、と二酸化炭素などの削減が叫ばれています。木々の葉は、光合成(太陽のエネルギーを使って二酸化炭素と水とからブドウ糖を合成する)反応のとき、二酸化炭素のほかに、空気汚染源の窒素酸化物(NOx、ノックス)や硫黄酸化物(SOx、ソックス)も取り込み、分解してきれいな空気に戻してくれる働きをもっています。
 このように、都市部環境の浄化の働きを担っている、新宿御苑の樹木の緑を大切にしたいものです。

「ヒートアイランド現象」の解説板
「ヒートアイランド現象」の解説板
「空気をきれいにする樹木」の解説板
「空気をきれいにする樹木」の解説板


気になる実
 オリーブの実です。散策路でみつけました。まだ熟していませんが、鼻を近づけると、オリーブの香りがしてきます。
 シロヤマブキの実は、光沢のある、美しい茶色をしています。
 どちらも、思わず記録写真を撮ってしまいました。

オリーブの実
オリーブの実
シロヤマブキの実
シロヤマブキの実


その後のアオノリュウゼツラン
 以前にもご紹介した、アオノリュウゼツランのその後の姿です。
 この春、背が低いまま花が咲いてしまったアオノリュウゼツランの花塔のうえには、たくさんの二世(零余子、むかご)が育っています。手が届く高さです。零余子の様子を観察するには、絶好のチャンスです。
 一方、昨年開花し、たくさんの零余子を載せていた背の高い花塔のうえでは、零余子からさらに花塔が伸びて、今にも花が咲きそうな、大きなつぼみが成長しています。つぼみの重さに堪え兼ねた零余子が地上に落ちて、無残な姿をさらしています。
 50〜70年に一度しか花が咲かないはずのアオノリュウゼツランなのに、どうして今年育ったばかりの零余子に早くもつぼみができてしまったのでしょうか。
 零余子は花塔を通して親と繋がっているので、親の開花促進植物ホルモン(開花を促す信号になる化学物質)が零余子に伝えられたからではないだろうか、と御苑の温室科長が教えてくれました。

低い方のアオノリュウゼツランの花塔
低い方のアオノリュウゼツランの花塔
低い方のアオノリュウゼツランの零余子
低い方のアオノリュウゼツランの零余子
 
高い方のアオノリュウゼツランの零余子
高い方のアオノリュウゼツランの零余子
高い方のアオノリュウゼツランの零余子
高い方のアオノリュウゼツランの零余子(花塔の陰のもとで)
 
つぼみをつけたアオノリュウゼツランの零余子
つぼみをつけたアオノリュウゼツランの零余子
昨年開花したアオノリュウゼツランの花塔のその後
昨年開花したアオノリュウゼツランの花塔のその後


バッタ
 母と子の森の草原ひろばでは、秋の虫たちが登場の準備をそろそろはじめています。  秋の自然教室(新宿御苑が開催し、新宿御苑森の会のボランティアが案内する、小学生を対象とした自然観察会)で、子どもたちを楽しませてくれる秋の主役たち、「たくさん食べて、大きく育っておくれ!」と思わず声をかけたくなります。

ショウリョウバッタ
ショウリョウバッタ
ショウリョウバッタ
ショウリョウバッタ


キセルガイ
 母と子の森の奥深く、倒木の切り株が山積みになっている辺りで、キセルガイをみつけました。切り株をそっと裏返してみると、木部が朽ちはじめて、じめじめしているところに、細長い形のキセルガイをたくさんみつけることができます。観察が終わったら、裏返した切り株は、必ず元通りに戻しておいてください。

キセルガイ
キセルガイ
キセルガイは、形も名前も貝の仲間のようですが、実はデンデンムシ(カタツムリ)の仲間です。そっと観察を続けていると、♪角だせ、槍だせ、頭だせ〜♪と静々と動きはじめます。写真でも、頭の角がみえていませんか。


擬木の橋
 新宿御苑の東南の端、下の池から御苑敷地外へ流れでる辺り、明治38年(西暦1905年)に日本で最初に造られた擬木の橋が架かっています。
 この時期、当地新宿植物御苑では、市川之雄の指揮で大改修工事が進められており、近代的な造園や園芸の技術を学ぶために一時渡米した市川は、途中でフランスに立ち寄り、擬木の橋を購入しました。短い手摺りの、見過ごしてしまいそうな小さな橋ですが、当時フランスから三人の技師がわざわざ日本にやってきて、現場でこの橋を組み立てたのだそうです。
 それから1年後の明治39年(西暦1906年)、改修工事は完成し、新宿植物御苑改め「新宿御苑」と呼ばれるようになりました。
 新宿御苑ガイドツアーでは、100年以上も歴史をさかのぼった、昔の御苑のエピソードなども楽しんでいただくことができるのです。

擬木の橋の欄干(下流側)
擬木の橋の欄干(下流側)
擬木の橋の欄干(上流側)
擬木の橋の欄干(上流「下の池」側)
 
擬木の橋から下の池を望む
擬木の橋から下の池を望む
明治38年からのたたずまいです。せみ時雨に耳を傾けながら、この辺りで涼を取るのも、新宿御苑の夏の風物詩です。


トキワツユクサ
 トキワツユクサ(別名ノハカタカラクサ)の群落がありました。
 トキワツユクサは、前にご紹介したツユクサの仲間ですが、花の構造がだいぶ違います。白色で、咢片が3枚、花弁(かべん、はなびらのこと)が3枚、雄蘂(おしべ)が6本、雌蘂(めしべ)が1本からできています。咢片は緑色をしており、花弁よりもひとまわり小さめです。雄蘂はたくさんの花糸(細胞が一列に並んだ毛)に囲まれており、この様子はツユクサに似ています。
 南アメリカ原産の常緑の多年草です。ちょっと失敬してもち帰り、庭にでも植えたくなる植物ですが、どんどんはびこって手に負えなくなるのでご用心を。

トキワツユクサ
トキワツユクサの群落
トキワツユクサ
トキワツユクサの花


ヘビの抜け殻
 母と子の森の奥深くで、ヘビ(アオダイショウ)の抜け殻をみつけました。推定、ヘビは太さが5センチ以上、長さは2メートルを超える大物です。
 ヘビの抜け殻をお財布に入れておくと、お金が貯まるという言い伝えがありますが、この抜け殻は、あまりに見事なので、インフォメーションセンターに展示をしてあります。うろこ模様がとても美しいです。

ヘビの抜け殻
ヘビの抜け殻
ヘビの抜け殻
ヘビの抜け殻(部分)


ササガニユリ
 温室のなかで、美しい花が咲いています。ハマユウなどの仲間だと思います。

ササガニユリ
ササガニユリ
ササガニユリ
ササガニユリ(つぼみ)
 
ササガニユリ
ササガニユリ(開きはじめ)
ササガニユリ
ササガニユリ(開きはじめ)
 
ササガニユリ
ササガニユリ
亜熱帯室の片隅で、清楚な感じの花をお楽しみください。


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更新年月日2002年7月20日

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