新宿御苑自然教室「夜の森探検」開催される!
 特別号、夜の新宿御苑内の様子をご紹介します!
 新宿御苑ガイドボランティアの活動とは直接関係ありませんが、新宿御苑自然教室支援ボランティアリーダーの活動ぶりをご紹介します。新宿御苑ガイドボランティアのなかには、新宿御苑自然教室支援ボランティアリーダーを兼ねている者が数名おります。彼らがとらえた、夜の新宿御苑です。
 新宿御苑自然教室は、毎年5〜6回、新宿御苑母と子の森を中心として、さまざまなテーマで開催されます(詳細については、新宿御苑公式ホームページをご参照ください)。それを支援するのが、新宿御苑森の会という、ボランティアリーダーのメンバーです。
 8月3日午後5時〜8時30分、新宿御苑自然教室「夜の森探検」が開催されました。
 我々ボランティアが夜間新宿御苑内に入れるのは、夜開催される自然教室の下見のとき、本番のとき、それと薪能(たきぎのう)の当日だけです。
 夜の新宿御苑でみつけた、いろいろなものをご紹介します。でも、その前に、明るいうちにみつけたものを、まずご紹介します。

ナガコガネグモ
ナガコガネグモ
先日もご紹介した、ナガコガネグモです。夕日に美しい模様が映えています。
 
ミズカンナ
ミズカンナ
これも先日ご紹介した、ミズカンナです。だいぶ花が開いてきました。


クモの網にかかったトンボ
 ナガコガネグモの網に、大きなトンボ(クロスジギンヤンマ)が引っかかってしまいました。トンボは盛んにもがきますが、一向に脱出できそうにありません。
 自然教室に参加している子どもたち(兄妹)が、母と子の森の池で素晴らしい出来事を発見しました。子どもたちはその場に座り込み、じっと成り行きを見守っていました。いま、子どもたちは、少々残酷なシーンですが、自然界の摂理を目の当たりにして、食うか食われるかの生き物の世界について学んでいる最中です。固唾を呑んで見守る、子どもたちの姿を想像してください。

 そこへ大人が分け入ってきました。


クモの網にかかったトンボ
クモの網にかかったクロスジギンヤンマ
クモの網にかかったトンボ
クモの網にかかったクロスジギンヤンマ
 
 クロスジギンヤンマは、新宿御苑では珍しい、なかなかみることができない貴重なトンボです。分け入った大人は、思わず仲間を呼んでしまいました。10人ぐらいの大人が集まり、トンボのできごとに皆が注目しました。
 
クモの網にかかったトンボ
クモの網にかかったクロスジギンヤンマ
クモの網にかかったトンボ
クモの網にかかったクロスジギンヤンマ
 
さて、クロスジギンヤンマはこのあと子どもたちの目の前でどうなったでしょうか?

(1) 子どもたちが見守る前で、クロスジギンヤンマは自力で脱出に成功し、無事に大空高く飛び去っていった。
(2) 子どもたちが見守る前で、やがてナガコガネグモが現れ、クロスジギンヤンマは餌食になってしまった。
(3) 子どもたちが見守る前で、身勝手な大人がクロスジギンヤンマを網から取り外し、大空へ逃がしてしまった。
(4) 子どもたちが見守る前で、クロスジギンヤンマには何事も起こらず、そのまま日没を迎えてしまった。

正解は何番でしょうか?  あるいは、貴方だったら、どの回答であることに期待をしますか?
 解答は、このページの最後にあります。


夜の森探検
 自然教室「夜の森探検」の目的は、カラスウリの花とセミの羽化の観察です。
 まず、明るいうちに、カラスウリの在りかを確かめておきます。夕方5時を過ぎるころ、カラスウリのつぼみがそろそろ開きはじめます。どこにつぼみがあるか、明るいうちに確かめておきます。
 セミの抜け殻探しも、やっておかなければなりません。セミの抜け殻をみて、何ゼミかを調べたり、雌雄を確かめたりもしますが、明るいうちに、セミの幼虫がでてきそうな場所を確認しておく必要があります。セミの鳴き声も、明るいうちに聞いておかなければなりません。
 日が暮れるまでの間、自然教室に参加している皆さんは、軽い夕食をとります。空にはコウモリが飛び交い、あたりがだんだん薄暗くなってくると、いつもと違った新宿御苑の雰囲気に変わってきます。新宿の街の明かりが夜空に反射して、夜の新宿御苑は意外と明るいことに気がつきます。
 まわりがだんだん暗くなるころ、いよいよ夜の森探検隊の出発です。

夜の森探検
夜の森探検(木を登るセミの幼虫の観察)
夜の森探検
夜の森探検(木を登るセミの幼虫の観察)
 
夜の森探検
夜の森探検(羽化するセミの観察)
羽化をはじめたセミをみつけると、その場に座り込み、じっと観察を続けます。あまりライトアップするとセミが驚くので、ときどき照らしたり、赤いセロファンをかぶせたライトで照らしたり、工夫をしています。羽化しているセミは、赤丸のなかですが、みえますか。


カラスウリの花
 カラスウリの雄花です。雌花も、蕊(ずい、花の中心の部分)を除いて、とてもよく似ています。カラスウリは、雌雄異株(雌と雄がちがう株)で、雄の蔓(つる)には雄花しかつきません。
 カラスウリの花をお楽しみください。
 夜しかみることができない、不思議な花です。カラスウリの花は、夜中咲きつづけたあと、翌朝にはしぼんでしまいます。真夜中に虫たちを集める手段として、花は芳しい香りをもっています。

カラスウリ
カラスウリの花


セミの羽化(アブラゼミ)
 アブラゼミの羽化です。羽化がはじまってから30分ぐらい経過したところでしょうか。やっと殻から上半身が抜けだしたところです。羽はまだ広がっていません。

アブラゼミの羽化
アブラゼミの羽化
アブラゼミの羽化
アブラゼミの羽化


セミの羽化(ツクツクボウシ)
 ツクツクボウシの羽化です。アジサイの葉の裏で、真夏の夜のドラマは静かに繰り広げられました。子どもたちは、感動的な羽化のすべてをみることができたと思います。ツクツクボウシのような小型のセミは、大型のセミより羽化にかかる時間が短いようです。

ツクツクボウシの羽化
ツクツクボウシの羽化
ツクツクボウシの羽化
ツクツクボウシの羽化


セミの羽化(ミンミンゼミ)
 ミンミンゼミの羽化です。ほとんど羽化が終ったところです。羽化開始から1時間以上経過していると思います。羽もすっかり広がり、あとは体色がだんだん濃くなるのをまつばかりです。

ミンミンゼミの羽化
ミンミンゼミの羽化
ミンミンゼミの羽化
ミンミンゼミの羽化


クイズの答え
 答えは
(3)「子どもたちが見守る前で、身勝手な大人がクロスジギンヤンマを網から取り外し、大空へ逃がしてしまった。」です。

 子どもたちの目の前で繰り広げられる、こうした心ない大人たちの行為が、子どもたちの「大人不信」の主因となっているようです。
 子どもたちがクロスジギンヤンマをみつけて観察していたところに大人が割り込み、子どもたちに声をかけることもなく、結局は一方的に大人が決着を着けてしまいました。
 子どもたちの気持ちを踏みにじるような大人世界の論理は、自然教室のように子どもたちを主体とした、子どもたちが主役のイベントでは、厳に慎まなければならないことと当事者たちは反省しなければならないと思います。
 子どもたちの自然体験活動の場で生じるこうした問題には、指導する大人の資質により、いくつもの回答があって然るべきものと思います。それは正解がない、ということではなく、決まった答えが得られない、ということです。あるいは、すべてが正解である、といっても構わないと思います。
 しかし、主役である子どもたちを置き去りにした、不用意な大人の独断的な回答は、いかなる場合でも通用しないものと認識しておく必要があると考えます。

 こうした出来事に対するお考えなど、ぜひお聞かせいただきたいと思います。


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更新年月日2002年8月3日

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